『わたしレプリカ』解説とか裏話とか

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本記事はこの動画の解説や裏話のような記事です。動画視聴後の閲覧を推奨します。

以前こういった自作のMMD動画の解説記事を書いた時はまだこのブログを開設していなかったのでPrivatterに投稿していたんですが、画像の挿入がかなり面倒くさくて画像なしで記事を書いたところ『◯秒のこのシーンはこういう意図があって~』と動画との二窓前提の内容になってしまい大変不親切だったため、今回は画像挿入が容易なブログに投稿させて頂きます。

もしブログだけ読んでてMMDが苦手という方がいらっしゃいましたら本記事はスルーしてください、すみません。

本記事に挿入されている画像は全て動画のスクショであるため、お借りしたもののクレジット表記につきましては動画の方をご参照ください。

 

また、上記の動画には原曲MVパロが含まれており、原曲MVにおける描写にも言及しているため、原曲MVを見たことがない方はこの文章を読む前にご覧いただけるとより分かりやすくなるかと思います。

youtu.be

更に、本記事の文章はいわゆる「作者が勝手に言ってるだけ」というやつですので、もし動画を見て受けた印象や解釈と本記事の解説が食い違っていたとしても、ご自身の印象や解釈をそのまま大事に持ち続けて頂けたら嬉しいです。

特に今回取り上げるのはかなり雰囲気重視の動画でもあるため、「解説なんてそんなの野暮だよ」派の人は是非この記事を読まずにブラウザバックして頂ければと思います。私自身もその気持ちは分かるので、読まずにお楽しみ頂ければ。

またその兼ね合いで、各々が持ちうる解釈の幅を狭めたくないため、本ページに記載した解説の内容は動画のコメントなどには持ち込まないで頂けると助かります。

 

 

ということで。

 

 

【この動画のテーマ】

大きく分けて3つありました。

 

①2022/8/8の新弦月衣装お披露目によって、弦月がいわゆる『白弦』になったことについての自己解釈(主に彼が白弦になった経緯、白弦がどういった存在なのかについて)

②2022/8/8~この動画を投稿した2023/8/8まで、1年間白弦を見てきた上での彼の変化についての自己解釈(彼が白弦になった後、『白弦』としての自分を受け容れるまで)

③上記2点が『過去~現在』の話だとして、それに連なる形での、『未来』の彼に関する現段階での一番悪い想像(あってほしくない未来)

 

ざっくり①が1番~2番(2番は2022/8/8前後)、②が2番後の間奏、③がラスサビ、といった感じです。


あとは映像面で意識したこととして、どこで一時停止しても絵になるような綺麗な映像を作りたい、と思って頑張りました。ある程度手の込んだ動画を作る時はいつも思ってることではあるんですが、今回は特に意識してます。
ちょうどAEへ移行した頃合いでもあったので、AEじゃないとできない or AE以外の動画ソフトでもできるけどAEじゃないととてつもなく面倒くさいような動画表現をやりたいな、という技術的な意図もあったりしました。とはいえAEを頑張りたいというよりは、AEに移行したからにはもっと凝った表現もできるよね、幅広がったよね、という意味合いの方が近いですが……。技術先攻ではなく表現先攻というか。

 

 

【この動画の前提となっている解釈】

・白弦=弦月が『自分は過去に一度死に、自我を違う器に移されたことで生きながらえた"偽物"である』という事実を何らかの理由で知ってしまったことによって変化した姿である。
2022/8/8以前の弦月もそれ以降の白弦も、連続性はあるというか同じ存在というか、どちらも同じ"偽物"である、という解釈。

・デフォルト衣装の変更について。
上記の状況だったゆえに2022/8/8の配信上での彼は精神が不安定……というか、アイデンティティが揺らいでしまっており、それゆえ配信の冒頭で「僕は今こうしてここに居るけど、皆には『同じ弦月だ』っていう風に見えてる?」とリスナーに訊ねたのではないか。
そして、リスナー一人ひとりは当然様々な意見を持っていただろうけれど、少なくともコメントで多く見られたのは「同じに見えてるよ」という返答だった。弦月もコメントを見た上で「見えてるなら良かった」と返している。
お披露目配信でのそのやりとりを皮切りに、『新しい姿に変わった弦月藤士郎』として変わらず活動を続けていって、彼が今の姿を受け入れて『自分は自分である』というアイデンティティを確立し直したからこそ、デフォルト衣装が白弦へと変わったのではないか……という深読み。

※デフォルト衣装の変更については本人が配信上で「そんなに深い意味はない」と明言しているのでこれはマジでガチの深読みです。なのであんまり真には受けないでほしいですが、それはそれとして『わたしレプリカ』の中では二次創作としてそういった描写を行っています。

 

白弦がどういう存在なのかってリスナー間でも解釈がかなり割れている認識で居るのですが、『わたしレプリカ』に関してはこの解釈を前提として制作しています。
別解釈の方も一旦この解釈を頭に入れた上で、以下の解説?裏話?をお読み頂ければ。

 

 

 

【動画の演出について】

ここ意図伝わりづらいかも、と思うところを中心に、頭から順番に解説とか裏話とか。

 

○タイトル

前年・前々年の8/8投稿動画同様、【ライバー名】 曲名 【にじさんじMMD】といった表記にしています。(8/8以外の投稿動画は全て【にじさんじMMD】 曲名 【ライバー名】としています)
言わずもがな、弦月の物語関連の配信・動画のみ【弦月藤士郎/にじさんじ】ではなく【にじさんじ/弦月藤士郎】と逆の表記になる点を意識した表記です。

 

○イントロ

0:08~
上段に英語・下段に日本語で弦月のライバープロフィールが記載される演出は原曲MVパロです。

原曲では上段英語・下段日本語の形式でクレジット表記→原曲の歌唱ソフトである裏命の説明文が表示されるのですが、クレジット表記の代わりに注意書きを入れたかったため説明文の箇所だけパロってます。

 

またイントロに限らず全編通して、MMDではない実写風の映像(例えばイントロだったら紫~ピンクの泡の映像など)が挟まるのも原曲MVを意識した演出です。
原曲MVのあの、生き物の体内っぽい生々しさと無機質な物体やエラー画面が交錯する、良い意味で気持ち悪い画作りが大好きなので……。
MMDだとアニメっぽさとか無機質感の方が画的には際立つので、逆に生々しい感じの映像だけMMD以外の素材を入れ込んで制作しました。

 

イントロで出てくるMMDの映像は概ねこの後に出てくるのと同シーンだったり、画角だけイントロ用に変えてたりするものなので、解説はそちらのタイミングに回します。

 

○1番Aメロ

画面中央を囲う形で太い枠がついていますが、ここでの枠の色は弦月の旧イメカラ、枠内左右にあるマークは弦月の家紋です。左上の英単語は『recollection』=回想。

先述の通り1番はイメージ的に『弦月が白弦になるまで』といった感じなので、メインとしては白弦になるまでの弦月の日常描写と、幼少期の弦月(いわゆる『本物』の弦月)の描写が折り重なるような形になっています。

 

0:18~


卵を割る弦月。
ここは雰囲気で入れた……って言ってしまうとそれでおしまいなんですが、一応、『卵を割る』という行為を通して『生と死』に通ずる薄暗い雰囲気を醸し出そうとした、という感じです。卵を割る=命がひとつ潰える、みたいな。普通にスーパーで出回るような卵は大体無精卵だよとかそういうツッコミは置いといて
そもそも弦月の物語を深掘りして描こうとする時点で『生と死』について取り扱うことにはなるんですよね。なので雰囲気重視のシーンでも何かこう、空気感として通ずるものがあるように中身を決めています。
あとはこの部分の歌詞が「賞味期限が切れる様に」なので、食品を絡めたかったという意図もあります。

 

0:29~

長尾と甲斐田が映っている3枚の写真。すべて二人の間、写真の中央だけが不自然に空いています。
これは『元々は全て長尾・弦月・甲斐田の3人で映っていた写真だったが、弦月の姿だけが消えてしまっている』という想定でした。弦月3Dお披露目Cパートの演出と全く同じです。
多分ポーズ的に3枚目が一番不自然に見えると思うんですが、3枚目の二人は元々真ん中に居たはずの現月に対して腕を回したり手を添えたりしていたわけですね。

 

0:32~

上記の流れを踏まえた上で、その写真を弦月本人が見てしまい、写真を抱えながら首を振る。

この一連のシーンの歌詞が「誰かが頭の中 弄ったようで、笑えない」なんですが……。
先述した通り1番のイメージは『弦月が白弦になるまで』で、かつこの動画を制作した私の解釈としては、弦月は何らかの理由で『自分が過去に一度死んで違う肉体で生まれ変わった偽物であること』を知ってしまったことで白弦になったのではないかと思っていて。
なのでその、『真実を知ってしまう』走りの描写、という感じです。まだはっきり知ってしまったわけではなく、予兆を感じた上でまだそれを信じられていない、みたいな……。完全にイメージの話なんですが。

 

あと、直後に魔が尻尾を振る後ろ姿が一瞬挟まるのは、おそらく弦月が真実を知った理由に、真実を隠した張本人である魔が関わっているのではないか……と考えていたことが半分、曲の「ワフッ」という犬の鳴き声みたいなSEと音ハメしたかったのがもう半分、といった感じです。

 

0:36~

弦月→幼少期の弦月(本物の弦月)への切り替わり。
「陳腐な夢だけれど、いつか外に出てみたい」=生まれつき身体が悪く頻繁に入院を繰り返していた幼少期の彼の境遇と重ねた描写にしています。

 

○1番Bメロ

魔が幼少期の弦月と交友を深め、そしてその死に立ち会い、罪を犯して『偽物』の彼を創り出し、そしてまた出会って交友を深めて今に至る、といった流れです。
この部分の歌詞があまりに魔→弦月すぎたので……。

見たまんまのシーンなのでここはあまり裏話も何もないんですが、一応、前半の幼少期弦月+魔と後半の弦月+魔は大体のポーズが同じです。
器が変わっても自我は連続してるんだよね、という。

 

○1番サビ

ここで弦月が真実を知っちゃうイメージです。
ただし、今に至るまで『どうして弦月は真実を知ってしまったのか』は明らかになっておらず、またそれを推測するための材料も殆どないため、表現としては抽象的な内容にしています。
(動画を作っていた2023/6~8頃は勿論、この記事を書いている2023/12現在もなお明らかになっていないため、もうこのまま出てこないんじゃないかな……とも思います。
動画制作時にも概ねそう感じていたため、あえてそこがぼやかされてるの、良いよね……という思いも込めて、ひとつの経緯に特定するような絵面では描写しなかった、という理由もあります)

なのでこれはあくまで絵面としての表現意図の話になりますが、過去の(本物)の自分と今の自分で触れ合おうとしたらできなかった=今の自分は過去の自分と違っていた=今の自分は偽物だった、的なイメージで絵面を作ってます。

ここ、もし制作当時に白弦モデルが一般配布されていたとしたら(もしくは自作できていたとしたら)、最初の「わたし レプリカだった」から後は全部白弦にしてただろうな……と思います。が、ちょっと色々と難しかったので、和装弦月モデルの目とネイルだけ白弦準拠でテクスチャ変更させて頂いています。

 

あと制作中にtwitterでスクショを上げていたんですが、ここマジでヒョ…………となりましたね………………

 

1:16~

最後の「生きていたいのに」については、本物の、もう死んでしまった弦月にも、今を生きている偽物の弦月にも共通する想いなんじゃないかな……という気持ちでああいう演出にしました。

 

○1番後間奏

左右に置かれた2隻の船が弦月へと置き換わるシーン。
ここは投稿直後にコメントでもお題箱でも頂いた通り、『テセウスの船』のイメージです。死ぬ前の(本物の)弦月と今の(偽物)の弦月、更にはいわゆる白弦月の同一性に関する印象を重ねました。

ja.wikipedia.org

テセウスの船とは、『ある船のパーツを次々に新しいものへと置き換え、いつしか全部の部品が新品へと置き換わった時、その船は元の船と同じと言えるのか?』という思考実験です。
既に弦月の物語内で示唆されている『スワンプマン』と並んで有名な、物や人の同一性を問うタイプの思考実験で、実際に『弦月はテセウスの船が好き』という話が度々同期の口から出ています。

参考(※時間指定済・これ以外にも話題が出た配信がありますが割愛します)

上記の経緯から、この動画を好んで見に来るような人にはおそらく伝わりやすい表現だろうと踏んで入れました。結果、案の定でした。草。
コメントくださった方本当にありがとうございます、伝わって良かったです。。

また、後半部分で楽曲タイトルとイントロ同様のライバープロフィールが出るのは原曲MVパロです。

 

○2番Aメロ

画面構成は1番Aメロと同じですが、枠の色が現在のイメカラになり、左右にあった家紋も白弦月衣装のコートのエンブレムの模様に変わっています。

家紋→模様の変更については、2023年の弦月の誕生日グッズ(白衣装)において缶バッジの背景にあしらわれた模様が、それまでの家紋ではなくコートのエンブレムの模様になっていたことから急遽取り入れました。
ここで家紋が模様になる演出をやりたくて1番Aメロに家紋を入れたので、今年の誕生日グッズがなかったらそもそも家紋は入っていませんでした。誕生日グッズに感謝。

また、左上の英単語は『anguish』=苦悩。
1番が『弦月が白弦になるまで』なら、2番は『白弦になった弦月が今の自分を『自分』として受け容れるまで』、といったイメージなのですが、新弦月お披露目配信での彼の様子を見る限りおそらく相当の苦悩や憔悴があったのではないかと思わされたので……そこからの単語チョイスです。

 

「どうせいつかは終わるくせに」 とか なんか言ってばかみたい

この歌詞が、真実を知ってしまって苦悩し自棄になっている弦月がひとりごちているようなイメージだったので、その通りの絵作りをしています。

 

「なんか言ってばかみたい」の絵面ですが、背を向ける同期に反して弦月一人だけがこちらを向いている=弦月だけが『弦月藤士郎は偽物である』という真実を知っている、というイメージです。

この記事を書いている現在は白弦月がVΔLZの制服衣装を着れるようになってるので、実はもう同期二人にも打ち明け済なのかもしれないな、と妄想してはいるのですが(※あくまで妄想です)……少なくとも2022/8/8の時点では同期は知らなかったのではないかと勝手に思っています。なのでそういう演出です。

三人が腰まで使っているのは泥の中で、弦月の顔アップのカットで弦月の額の辺りから顔が黒く溶け出しているのも、身体の一部が泥になって垂れ落ちているようなイメージです。

ここで『泥』を持ち出しているのは、弦月の『化孵化』のMV内で『スワンプマン』のwikipediaの文章が引用されていることからの連想です。

多分この文章を読んでいる方の大半は『スワンプマン』についてご存知かと思いますのでこれ以上の説明は省略しますが、今の(偽物の)弦月を『泥人形』として扱う表現がある二次創作が三度の飯より好きです。以上性癖の表明でした。

 

後半の窓のシーンについても、前半からの流れを汲みつつ、『同期の二人と同じであれない(人間ではない偽物の)自分』について弦月が苦悩しているような感じです。
同期二人が窓の外側、弦月だけが内側に居るのもそういう理由です。苦悩する弦月の精神の表現であるから。

また、窓の外に広がる空の色はアニディールコラボのVΔLZ香水の描き下ろしイラスト準拠となっています。長尾が夜、甲斐田が昼、弦月が夕方。

あれマジでメチャクチャ好きなんですよ…………弦月が『晴』(=昼)と『景』(=夜)の間をつなぐ夕方なのが………………マジで好きで…………………………………

 

あまりに解釈の話が多いので一個技術的な裏話をすると、「誰のことも」で弦月が窓に縋りついたままずるずる崩れ落ちるモーション地味にメチャクチャ難しかったです。手や腕の角度は同じまま位置だけ綺麗に縦移動させるのがムズかった。ぶっちゃけ80点ぐらいで妥協しました。悔しい~~~~~!!!!

 

あと、「裏切らない…笑」で崩れ落ちた後の弦月の周りに散らばってるのは、1番Aメロで出てきた『弦月だけが消えているVΔLZの写真』です。
自分の姿が消えている意味を自覚してしまって苦悩している、みたいなアレです。

 

○2番Bメロ

初手性癖!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!って感じの絵面で本当にすみません、性癖です……………。

ただ一応真面目な意図もちゃんとあり、主には『苦悩するあまり自己を見失いつつある弦月』のイメージでした。自己を見失いつつあるからこそ、失いたくなくて自分に縋る、というような……。歌詞の「いかないで」「僕の絶対」について、本来そうそう揺らぐことのないはずの自己が揺らいでしまっている弦月、という受け取り方をした上で考えた描写です。

あと2番Aメロが和装だったのにBメロで初期衣装になってるのは、演出的な意図があったわけではなく技術的な問題で、Bメロで自分に縋るポーズを和装でやろうとするともう本当に物理演算の修正がメチャクチャ大変で…………袖とか袴とか髪とか…………マジで大変で…………………根を上げた結果初期衣装になりました。何か演出的な意図があるんじゃないかと考えていた方がもし居られましたらすみません。
正味もしこの動画で白弦モデルを使えていたらAメロBメロどっちも白弦にしてたと思います。

 

1:51~
「だって」で俯く顔を上げた弦月以降が、2022/8/8の新弦月衣装お披露目配信を想定した描写です。

「だって 違わない 違わない 誰ひとり 同じもの」という歌詞とあまりに、あまりにドンピシャすぎて……。

頭の方に書いた通り、白弦になったことでアイデンティティが揺らいだ弦月とお披露目を見に来たリスナーとの、「僕は今こうしてここに居るけど、皆には『同じ弦月だ』っていう風に見えてる?」「同じに見えてるよ」「見えてるなら良かった」というやり取りって、彼のアイデンティティを支える重要なものだったんじゃないかと感じていて。
その解釈をもとに、該当箇所のチャット+お披露目配信のアーカイブについたコメントを録画したものを、ユーザー名やアイコンを伏せた上で使用させて頂きました。
youtubeのチャット欄やコメント欄の録画をこういう形で使っても良いのかどうか、そしていくら肯定的な内容とはいえ細かな意図はリスナー一人一人で違うだろう中、それをざっくばらんに拾い上げて二次創作として使用するのはモラル的にどうなのか、という2つの点で非常に迷ってかなり色々調べて考えたのですが……最終的に両方の問題につきまして、『名前やユーザー名に対して誰が見ても特定が不可能な加工を施した上で』『出典元を明記し』『コメント欄の録画映像が動画の主体・おもな主義主張の表現にはならない使い方をする』のであれば問題ないという判断をした上でこの演出に踏み切りました。とはいえかなり人を選ぶ表現だとは思うので、コメント欄の録画映像を使用している旨事前に注意書きをしています。
これも頭の方で書いた通り、原曲MVの生々しさと無機質さが混ざり合う空気感が大好きで、その雰囲気をリスペクトした動画にしたいと思っていたので、『配信のコメント欄の録画』という無機質な映像をそのまま使いたかった、というのも理由として大きいです。

 

1:55~

「誰ひとり」でパソコンに映っているのは2022/8/8当時の弦月のyoutubeチャンネルトップのスクショ……という意図なんですが、厳密にはきっちり8/8に撮影されたスクショではないです。
というのも、弦月のデフォルト衣装が白弦に変わったタイミングでchのアイコンやヘッダーなどが白弦仕様へと変わっており、変更後のタイミングでこの場面で使うスクショを撮ろうとして「そうだもう8/8のchトップから変わっちゃってるじゃん;;;;;;」と気付きまして……。
twitterで当時のスクショを持っている方が居ないか募集をかけたところ、弦月の切り抜き動画を制作されているかもねこ様がご自身の切り抜き用に作られたchトップの画像を提供してくださったため、そちらをそのまま使用した……という裏話です。
クレジットのスペシャルサンクスにもお名前ご記載しておりますが、その節は本当にありがとうございました。人の温かみに触れました……。

 

○2番サビ

ここも正直絵面は割と性癖なんですが、意図としては『理解った』弦月、というか。

「シンギュラリティ、愛おしい。」という歌詞、原曲での意図は合成音声技術のシンギュラリティ(=技術的特異点)(科学技術の進化によっていつか人間を上回る人工知能が誕生して人間の未来も大きく変わるかもね、という仮説)を愛おしく思う笹川さんの心をそのまま表したものだと解釈しているのですが、この動画においては『白弦への変化、そしてお披露目配信という特異点を経て、白弦になった自分自身を受け容れて愛するための土壌が培われた弦月』……的なふんわり解釈で描写をしてます。なので最初の1シーンは2番Bメロみたく弦月がいっぱいコレクションになってます。

ちなみにこれは技術面での裏話ですが、弦月がいっぱいコレクションのシーンはとにかく絵面優先で、ひたすらミュシャ風ポーズを流し込んでは物理を手付けしてました。実は全員MMD上で配置した上で1枚画像で出力して置いてます。物理切らないと重くてできなかったと思うけどもともと静止画は物理手付けすることが多いのであんま問題なかった。
チョイスがミュシャ風ポーズなのは特に深い意味はなくて、マジで絵面が綺麗に見えれば……という観点からのチョイスです。

 

2:11

「わたし、レプリカなんだ。」で一瞬電球の映像が挟まるのは原曲MVパロ……というか、パロという程でもないんですが。原曲MVにも電球の映像がちょいちょい出てくるので、そちらを意識しています。

 

2:13~

「わたし、レプリカなんだった。」で画面にノイズが走ってるのも原曲MVパロ、という程でもない原曲要素です。先述の通り原曲に結構エラー画面とかノイズが入ってるので……

 

2:18~

「そこで待っていろ」で弦月がこちらに指をさすのは、なんというか、前向きな宣戦布告みたいなイメージです。うまく言えないんですが……。

アイデンティティがグラグラになっていた弦月が、こんなところで折れてたまるか、と奮起したみたいな。私としてはそんな解釈を込めつつ、でも絵面はどこかホラーっぽくも見えるようにしました。そういう、捉え方や解釈が分かれるような姿や立ち振る舞いこそ白弦だな~と思うので……。

 

2:21~

彼岸花の中に横たわる骸骨。
実はこのカット、イントロに出てくる『百合の花の中に横たわる弦月』とポーズやカメラアングルが全く同じです。

本物の弦月藤士郎は既に死んでいて、今の弦月藤士郎は偽物だという示唆でした。

そしてこのカットが一番最初に出てくるのがイントロで、その後このタイミングで骸骨に変わるというのが、『隠されていた真実を弦月本人が知った』ことを示唆する演出……というか何というか。そんな感じです。

 

○2番後間奏

このシーンの前半は1拍ごとに目まぐるしく映像が移り変わっていくのですが、実は1/3くらいはここまでに出てきた映像の別アングルだったり実写の映像だったりするので、新規のものは案外多くなかったりします。雰囲気優先で入れたものも結構あるので、明白な意図があるもののみ掻い摘んで解説します……が、その前に。

このシーンの前半で画面中央に薄く表示され続けているのは、2022/8/8~2023/4/3までのカウントアップ(?)です。日付が進んでいくのもカウントアップって言うのかよく分かりませんが……。

2022/8/8は言わずもがな新弦月衣装のお披露目日ですが、じゃあ2023/4/3が何の日なのかというと、弦月のデフォルト衣装が白弦に変更された日です。

また、カウントアップが2023/4/3まで進んだ際に「新しい僕も愛してください、ということで」という台詞が日付の下に表示されますが、これは同日の配信内でデフォルト衣装の変更について言及した弦月が零した言葉となります。
(※リンク先の配信では脱出ゲームをプレイしていますが、URLで時間指定した箇所には脱出ゲームのネタバレはありません)

 

頭の方に書いた通り、デフォルト衣装の変更については本人が「特に深い意味はない」と明言していますが、その上での野暮な深読み、二次創作的な妄想として、『白弦に変わった後の自分を受け容れられたからこそデフォ衣装を変更したのかもな』とも考えていたため、こういった演出をつけています。あくまで二次創作ですが(重要)(超重要)、そういう見方もアリかなと。

 

こういった意図でこのシーンを制作しているので、カウントアップの後ろで目まぐるしく変わる映像についても、『弦月が白弦に変わった後の自分を受け容れられるようになるまで』……的なイメージで制作しています。なので彼が過ごした日々をイメージさせるような映像を多々入れてます。

また雰囲気優先で入れたものも多いと書きましたが、1番Aメロにあった(そしてこのシーンにも入っている)卵を割るカットのように、全体的には『生と死』をイメージさせるような空気感を意識しています。

 

彼が過ごした日々をイメージしたカットとしては、1番後のテセウスの船モチーフのシーンと同じ配置でマイクが2本置いてあるカットとか、桜魔っぽい町並みの遠景カットとか。

雰囲気優先のカットとしては、赤血球っぽい赤い球体の連なりとか、どくんと動く心臓とか、誕生日ケーキとか、ガーゼや包帯などのカットとか。
もう少し直接的なものだと、正面を向く弦月の顔が塗りつぶされるカットとか、弦月が立っている真っ白い部屋に血のような赤い液体が被さるカットとかもそうですね。

 

上記の説明では収まらないほど明白な『意図』があるカットについても、もう少し細かく書いていきます。

 

2:23

弦月の配信アーカイブのタイトル部分のスクショ。配信画面や再生数などの数字やサムネの絵師さんの名前を消しているので厳密には撮ったものそのままではないですが、まぁ概ねスクショです。
該当配信は2022/8/8の白弦月お披露目後最初の配信です(※正確には間に1回メン限を挟んでいますがそちらは割愛)。

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8/8の配信が『非日常』だとして、8/8後最初の通常配信=『日常』へ戻りつつもまだ白弦に馴染まないというか、『非日常』の残り香が色濃く残る感じが個人的に印象強い配信だったので載せました。

 

2:28・2:34

1回目は同期二人が、2回目はライバーではない様々な人々がこちら側に花を差し出すカット。

これは弦月に向かって花を差し出しているイメージで、花を差し出す=今の彼を受け容れる・愛する、みたいなイメージでした。
2回目のカットで花を差し出している人々は弦月のリスナー、つまり我々です。

2回目は同期以外のライバーにしようかとも迷ったんですが、そもそも彼の物語に関わる同期以外のライバーが居ないのと、先述の通り弦月が白弦としての自分を受け容れるにあたってリスナーからの認識が関わっているという解釈だったのとで、ここはリスナーにしたいな……と思いそうしました。

 

また、差し出している花は下記の通りです。
いずれも花言葉が各々にとっての弦月の印象……のつもりでチョイスしていますが、結局考えているのは私なので突き詰めれば私にとっての彼の印象なのかもしれないです。

同期:二人とも梅、長尾が赤で甲斐田が白。梅の花言葉が「不屈の精神」「高潔」・赤い梅が「優美」・白い梅が「気品」

リスナー:赤いゼラニウムゼラニウム花言葉が「尊敬」「信頼」「真の友情」・赤いゼラニウムが「君ありて幸福」

 

 

2:29

「おは」スタンプが並ぶ配信のコメント欄。例によって名前は隠してます。
一応出典元の配信はこれですが、単に「おは」スタンプだけが多く並んでいる箇所がある配信を探しただけなので、配信内容との関連性は特にないです。関係ありそうなタイトルですが本当に偶然です。

www.youtube.com

(しいて言えばスパチャク読みならメンバーの方がリアタイする可能性が高そう=「おは」スタンプが多く並ぶのでは?と思ってスパチャク読み中心で探していたのはあります)

 

2:23のカットと基本の思想は同じで、8/8を機に変わったけど今の白弦にとっての日常であること=「おは」の挨拶かなと思ったので、「おは」スタンプで埋まる配信のコメント欄を入れたくてこうなりました。

挨拶変わった理由、明白になってないですけど結局何なんでしょうね。未だに裏で色々考えています。

 

2:32

二人の弦月が手を繋いで向かい合っているカット。
弦月が今の自分を受け容れる、的なふんわり雰囲気カットです。1番サビだと触れられなかったけどここでは真実を知った上で受け容れたので触れている、という対比がやりたかったのもあります。

 

ちなみに以前ツイートしましたが、2:32の向かい合わせ弦月と2:34のリスナーが花を差し出すカット、出番は一瞬なのにメチャクチャ時間かかりました。MMD、割とこういうことある。

 

2:36~

前半部分がめまぐるしくカットが切り替わるのに対して、間奏の後半はほぼカットの切り替えなしの長尺です。ここは意図してやってます。

楽曲タイトルとクレジットが表示されるのは原曲MVを意識してます。厳密には原曲とは文字が出るタイミングは違うし内容もクレジットではないんですが、もともとMMD周りや動画素材のクレジットは曲中・出典元の配信一覧をアウトロに載せたいと思ってたので、タイミング的にここが一番しっくり来るな……とここに入れてます。

裏の映像に関してはメチャクチャ深い意味があるわけではないんですが、1番サビと同じ場所でゆっくり沈んでいく弦月です。
前半部分に弦月が水へ沈むようなカットが2回挟まっているのでそこから繋げているのと、1番サビからの時間経過というか対比というか、そういうのも兼ねてます。

 

○ラスサビ前

ここまでが過去~現在までの話として、ここからは『一番悪い未来の想像』を描いています。

以前『ひとりぼっちのユーエフオー』を投稿した時にも同じことを書いたんですが、私がいわゆる不穏動画を作りがちなのはそういう性癖なのが半分、もう半分は「絶対にあってほしくない・こうだったらしんどいなと感じる妄想をあえて二次創作として出力し、その過程で『どうか公式ではこんな展開になってくれるな、幸せになってくれ』という強い祈りを込めている」という仕草だったりします。

なのでここからは結構ウワッ……って感じの表現が出てくるし私自身も作りながらウワッ……って思ってるんですが、決して弦月に『そうなって欲しい』わけではなく、寧ろ私が願っているのは全くの逆です、ということだけ念頭に置いて頂ければ。

 

ってことで、まずラスサビ前のパートの歌詞を見て頂きたいのですが。

どうか
ひとつだけ
ひとつだけ
かなうなら
奪わないでね

もう
これ以上
これ以上
わたしから
わたしの
たましいを

ここから、ラスサビだとこう続きます。

待って
いかないで
いかないで
いかないで
これも、好きだよ

どうか、
なにひとつ、
わたしからこれ以上
これ以上….
でも、だめか
でも、だめだ

なぜか?
わたし、レプリカ

つまりこの曲、レプリカであるがゆえに魂すらもなにものかに全て奪われ、『いかないで』と引き止めることすらもできないものの歌なんですよね。少なくとも私はそう解釈しています。しんど。

 

この歌詞を弦月へ宛てがうにあたって、

・魂を奪われる:遠い未来で神様になるにあたって、今ある『弦月藤士郎』としての自我がなくなってしまう

・弦月が『いかないで』と引き止めるもの:元々あった自分の自我。でも、自分が『偽物』であるがゆえに繋ぎとめきれずに失ってしまう

・じゃあ弦月から魂を奪った=弦月を神様にしたのは誰なのか?:それは……今弦月が官吏として仕えている神なのでは……?

と想像しまして。

※元々弦月は人間が神になる可能性について配信上で話した際「(自分が神になったとしたら)弦月はもうそこでは弦月じゃなくなってるかもしれないしね」「むしろみんなには見えない話せない状態かもしれないじゃんか」と零しており、神になることで『今の弦月』から変質する可能性について触れられています。

 

そこから、弦月が神の代替わりをさせられることで自我を失いかけ、抵抗するも抗いきれずに自我を失い『神』になってしまう、という演出になりました。

 

弦月の物語描写の枝葉に関して下記のように考えていることから、神が無理やり弦月の意思や思想を捻じ曲げて代替わりさせることも可能なのでは?と感じたのもあります。

※あまりに長くなってしまうので「なぜそう考えたのか」についてはここでは省きます。気になる方は当ブログの3/31新衣装お披露目3Dお披露目Cパートの感想考察記事にだいたい書いておりますのでそちらをご参照ください。

・魔くんが今の『偽物』の弦月の肉体を創るにあたって、元々神の力を持っていた魔くんがその力で肉体を創ったか、もしくは神ではないものの神が見える存在だった魔くんが桜魔の神に頼み込み、その神の力で肉体を創ってもらったかのどちらかなのでは?と考えていること

・2022/03/31のサイバー風衣装お披露目で出てきた謎の+目に関して、「弦月が撮った自撮りでは普通の瞳孔だがLive2Dだけ+目になる=弦月本人には気づかれない形で弦月の肉体が変化している?」という解釈をしていること

・3Dお披露目Cパートの文章の中にある「彼が官吏として此處にいるのは これらの経驗があるからではなく 神から好かれているからでも無い。彼が人間で無いことを知って居り 彼を身近に留めて置く爲である。」について、『彼を身近に留めておく』=官吏が身近な立場から語られているからこの文章の視点主は桜魔の神なのでは?と感じたのと、『彼を身近に留めるために彼が官吏としてここに居る』=神が弦月を身近に置いておくためだけに弦月に官吏を目指させた?(良くて弦月の思想を遠回しに誘導した、悪くて弦月を洗脳した)可能性があるのではと感じたこと

=肉体がメイドイン神様な上に肉体的にも精神的にも神様に弄られた可能性があるのなら無理やり代替わりさせるぐらいチョチョイのチョイなのでは…………?????

 

今書いててもこれメチャクチャ"""嫌"""だな~~~~……と思う上に胃もじっとり重くなってきてるんですが、とにかくラスサビ周りはそういう妄想をもとに描写してます。今自分の頭で考えつく限り一番"""嫌"""な未来予想図です。バッドエンドとも言います。


演出意図としての解釈の説明が長くなってしまったんですが。
そういうわけで、ラスサビ前の前半(「~奪わないでね」まで)は弦月が歌詞を口にしているのをなるべくオシャンに見せてます。
割と早い段階でここの見せ方を思いついていて、後はAEで頑張りました。
「奪わないでね」でだんだん画面が荒くなっていくのは、その願い叶わないよ~^^という不穏な感じを出したかったからです。

あと「奪わないでね」って言葉が、多くを望まずシンプルな、それでいて切実な印象があったので、印象深く見せるためにこの歌詞だけフォントをドット風にしており、それに合わせたのもあります。

 

ちなみに背景に敷かれているのは数理地理学のグラフ素材です。
天体や地球がイメージされている図形なので、ちょっと神秘性あって神様っぽいかな~と思って入れました。

総じてここは「その願い叶わないよ~^^」というフラグ立て、みたいな感じです。


2:56~

後半部分では弦月は小舟の上におり、茶色い水の上(=泥水の上)に居ます。
このシチュエーションは先に出てきたテセウスの船とスワンプマンを意識しており、今ある彼の自我の示唆、という感じです。

 

2:59~

弦月が上空を見上げ驚いた顔をし、視線の先には無数の目。
この無数の目=桜魔の神々のイメージです。神様のビジュアルが分からなさすぎるのと(人型以外の神様も居ることぐらいしか分からん)、この動画においては弦月の自我を奪うものとして描いているので、気持ちホラーチックに目だけ描いて動かしてます。
神様に目をつけられた、みたいな感じ。

 

3:01・3:02

「わたしの」「たましいを」の歌詞が画面中央に出る部分。
「わたしの」の背景色は弦月の現在のイメカラ、「たましいを」はマゼンタで、かつ「たましいを」の歌詞表示が途中で文字化けします。
マゼンタと文字化けと言ったら、弦月のアンハッピーバースデイですよね。
『無理やり代替わりさせられて神になる』というシチュエーション想定なので、彼が神になった後の未来を描いている(と思われる)アンハピを彷彿とさせる演出にしています。

 

○ラスサビ

全体を通した演出意図はラスサビ前で書いた通りなので、枝葉の細かい部分を。

 

3:03

「待って!」で映る弦月の瞳孔が+マークになっており、水滴が飛んでいます。

ラスサビ前に弦月は小舟に乗っていて、それが彼の自我の示唆だと書きましたが、その舟が神によって転覆させられた(=自我を失いかけている)、というイメージで水滴を飛ばしてます。
+目なのもそういう理由で、この後完全に自我がなくなるまではずっと+目になってます。

……意図としては一応そういう感じなんですが、涙が散っているようにも見えなくもないですね。それはそれでアリです。

 

3:04~

弦月の背中にでっけ~~~羽根が生えます。
先述の通りイメージとしては彼が乗っている舟が転覆したという感じなんですが、より正確には弦月が上方へ見上げた神から何らかの干渉を受けて神にさせられ、その衝撃波みたいなもので乗っている舟がひっくり返った、みたいな流れを想定しています。なので弦月は最初、上方を向いたまま落ちていくようなポーズを取っています。

羽=神性の現れで、経緯が経緯なのでふわふわした可愛い天使の羽ではなくかなりゴツくて異形感が強い羽を生やしてます。
この羽は自前ではなくアクセサリをお借りしているんですが、この羽実は目がついてるんですよね………この後の正面向きのカットだとより分かりやすいんですが…………異形だ…………良…………………

あとここに限らず、羽の動きをつけるのメチャクチャ楽しかったです。

 

また、背景に敷き詰められているのは弦月がこれまで過ごしてきた日常の静止画をメチャクチャ暈して並べたものです。

主にVΔLZのほのぼの日常ネタ静止画なんですが、殆どが過去に『ひとりぼっちのユーエフオー』で使ったものの焼き直しなのと、暈す前提で作っていて結構作りが荒いので、暈しなしのものをアップする予定はありません。

(※そのまま使うのではなくわざわざ焼き直しをしているのは、身も蓋もないことを言うとあちらと同じものを使う=その分MMD内で使ったものが増える=クレジットの記載量が増えてデザイン的にバランスを取るのが難しくなるので、既に『わたしレプリカ』の動画内で使っているものは同じものへと差し替えて、削れるものは削って……というように、なるべくこの背景のためだけに借りるものを削った感じです。実際ここまで暈すとほぼ何も見えないので、ここに出しただけでクレジット書かれても……という感じだろうし。)

 

ここまで踏まえた上で、「いかないで」を重ねるごとに背景の静止画が消えて真っ黒になります。また、弦月のポーズも頭を抱えるようなものへと変わっていきます。

これは自我が奪われる=記憶もなくなる=思い出が消えており、それに苦しむ弦月、といった演出です。

 

あと書き忘れてましたが、ラスサビで終盤までずっとデカめのノイズが画面全体にかかっているのは、原曲MVの雰囲気を意識しているのもありつつ、大きいところで言うと弦月の意思や思考に無理やり介入して自我を奪おうとしているためエラーが出てノイズが走っている……みたいなイメージでした。

なので終盤で自我を失ってからは全てのノイズが消えています。


3:08~

「これも好きだよ」という歌詞と、窓の向こうに居るVΔLZの姿がどろりと黒く塗りつぶされるカット。

これも前カットの背景の演出の延長で、弦月の中の思い出が消えていく、といった意図です。「これも好きだよ」と思っていたことすら塗りつぶされて見えなくなる、というような。

 

3:16

このカットまでずっと苦しそうにしていた弦月に、「でも、だめか」という歌詞と無数の手が被さり、弦月の目があった部分にマゼンタ背景の「OVERWRITE」が重なるカット。

「OVERWRITE」=「上書き」。自我を奪われることに抵抗していた弦月に、神からダメ押しもといトドメの一撃が入る、みたいなイメージです。「これ以上奪わないで」と抵抗していたけど、ダメ押しが入って「でも、だめか」と諦めてしまった、みたいな。

 

3:17~

「でも、だめだ」で弦月の目から+マークが消え、ハイライトが完全になくなります。

ここで自我が完全になくなって神様になっちゃったという想定です。先述の通りこのタイミングで画面全体のノイズも全てなくなります。

 

3:20~

ラスサビの最後で弦月が神様然と微笑んでその口で「わたし、レプリカ。」と言うような演出を絶っっっっっ対やりたかったのでやりました。自分で作っといてなんだけどキツすぎ。しんどい。誰だこんな動画を作ったのは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

○アウトロ

アウトロでタイトルがドン!!と出るのは原曲MV準拠です。

その後に文章が出るのも一応原曲MV準拠なんですが、内容は出典元の配信・動画一覧にしており、「~しました。」という文体なのは原曲MVに合わせてます。
原曲だとイントロなどと同じように裏命ちゃんの説明文が出ていてそちらがですます調なので……。

また、背景は白弦のお披露目配信を意識して真っ白な部屋にしています。もう弦月は神になってしまった後なので、部屋には誰も居ません。

 

【おわりに】

改めてこう書き連ねてみると、本当に色んな解釈や想像や性癖をギュッと圧縮して作ったんだな、と実感させられますね。

正直な話、再生数とかそういった数字の面ではびっくりするほど評価されなくて、何分2ヶ月かけて心血注いで作った動画なのでさすがにちょっと凹んだんですが、まぁでもそんなもんかも……と今では思います。あまりに自解釈の煮こごりすぎるし、雰囲気動画すぎるし、多分別解釈の人が見たら意味わかんないだろうし、挙句の果てにはバッドエンドだし。私は好きだけど。私は好きだけど!!!!!!!!!(大声)

来年の8/8にもまた動画を作るつもりで居るんですが、さすがに次はもう少しストーリーラインが分かりやすい動画にした方が良いのか……とも思いつつ、結局作りたいものを作るだけなので雰囲気動画が作りたくなったら遠慮なくそうします。

一応曲も暫定で考えてはいるんですが、とはいえ毎年曲決めは4月頃にしてるのでどうなるかは分かりません。実際「わたしレプリカ」も本家が世に出たのが今年の1月、私の初見が2月頃だったので。この先4月までに「これだー!!!」となる曲が世に出るかもしれないし、或いは弦月の物語に何かしらの動きがあって解釈がひっくり返る可能性もゼロではないかもしれません。

また、8/8の動画とは別口で幾つか緩く「作りたいなぁ」と思っている弦月の動画があるので、何か作った時には見てやっていただけたら嬉しく思います。